電力自立型住宅と太陽光発電の今後-その2

 

“電力自立住宅”普及へ
大学×中小企業の挑戦

 

電力自立型住宅をビジネスチャンスと捉え、中小企業も動いています。
群馬県桐生市の建築会社FAS(フューチャー アンド スペース)。

 

この会社に毎日群馬大学の学生が通っています。
学生の小川さんが向かったのは、三畳一間の一室。

 

まずチェックしたのは、太陽光発電の発電量です。

 

群馬大学工学部
小川 将史 さん
「雨なので、発電量はゼロです。」

 

実は群馬大学とこの会社は、共同で太陽光発電だけで、どの程度の生活ができるか、実証実験を行なっています。
この日は雨が一日降り続けたため、屋根に取り付けられた太陽光パネルは発電していません。

 

小川 将史 さん
「今全て、この蓄電池からの電力で賄っています。」

 

FASが開発したリン酸鉄リチウムイオン蓄電池です。
この部屋で使う電力は、1日2kWh程度。蓄電池の容量は7.2kWhなので、晴れた日にフル充電できていれば、 3日間は太陽光発電ができなくても、電気が使えます。

 

リン酸鉄リチウムイオン蓄電池を使用した電池です。参考まで。

 

昼になり、昼食の準備をする小川さん。
炊飯器のスイッチを入れる前に、パソコンの電源を落としました。

 

小川 将史 さん
「全ての製品を使って1kWhを超えると、電気が切れてしまうため、パソコンを守るためにシャットダウンしています。」

 

蓄電池の直流の電気を交流に変換するインバーターの容量が足らなかったためです。
※インバーター:蓄電池の直流の電気を交流に変換する装置

 

パソコンが使えなくなり、ご飯が炊けるまでひたすら待つ小川さん。
30分経ち、ご飯が炊けました。

 

小川 将史 さん
「2011年の3月11日の日を、わたしも関東圏で体験しましたので、そういう日にも温かいご飯が食べられる、
ということを目指して、私たちは活動しています。」

 

問題のインバーターは、現在の1kWhから2kWhに変えれば、同時に使える電化製品も増やせますが、 価格は7万円高くなると言います。

如何にコストを抑えるか、そもそもこの会社が電力自立型住宅の開発に乗り出したきっかけは、 台湾メーカーの安いリチウムイオン電池の調達ルートを開拓したことです。

 

フューチャーアンドスペース
担当者
「当社の場合は価格的に安く提供できるルートを持っている、ということがウリの一つです。」

 

この蓄電池の販売予定価格は120万円と、すでに大手メーカーより2、3割安いと言います。

 

群馬大学
鵜飼 恵三 教授
「太陽光発電設備は非常に価格が安くなっていますから、さらにこれから安くなる。」

 

この会社では、蓄電池と太陽光パネルを標準搭載した住宅を、電力自立型住宅として、 年内に販売開始することを目指し、土地も確保しています。

 

フューチャーアンドスペース
田村明美 社長
「次世代に向かって付加価値のある住宅の住まいづくりを提案したいと思っています。」

 

 

進藤さん
「やっぱり、蓄電池の容量というか能力が上がってきていますし、だいぶ価格も下がってきているというのも あると思うんですけれども、その辺が後押ししている。 PVJapanは森本さんも取材に行ったことがあると思うんですけれども、以前は太陽光パネルの発電能力だけを競う、 あまり面白くない、黒いパネルが並ぶだけの展示会でしたけれども、今回は“家丸ごと”とか、システム全体で という傾向が見てとれました。」

 

森本さん
「いろんなものを組み合わせて、効率よくやって行こう、ということなんですね。
究極的には、外部電源に頼らない、ていうところに持っていきたい、ということなんでしょうけど、 まだまだ課題もありそうですね。」

 

大和総研チーフエコノミスト
熊谷 亮丸氏
「もともと、オイルショックの後で、日本の産業部門の電力使用量が0.9倍ですから、むしろ減っている。
家計部門は2倍を超えて増えている。ですから、家計部門をどうやって抑えるか、ということが最大のポイントです。
その中で、電力自立型住宅というのが出てきているわけですが、これはまだコストが高くて、おそらく2つ課題がある。
一つは、蓄電池が高すぎるのをどうやって下げていくかということ、それからもう一つは、賢く使うということで、 特にスマートコミュニティー、全体の街ぐるみで、どれくらい節約できるかというところがポイントになってくる。

 

例えば、経済産業省が実証実験をやっているんですが、通常の電気料金が1kWhあたり15円、需要が増えそうなときに 10倍の150円にする、そうすると、電力の使用料がピークで2割減ってくるんですね。

 

この辺りの、例えばスマートシティというのが、これから市場規模が世界で、2030年までに4000兆円です。
日本もここをしっかりやって、成長戦略の柱にすることが重要である、と思います。」

 

森本さん
「スマートシティですとか、仕組みづくりは、日本は世界を牽引していけるポジションにあるのでしょうか?」

 

熊谷 亮丸氏

「ITの力が強いので、潜在能力はあるんですが、スマートメーターが普及していないので、これからまだまだ
しっかりやらないといけないですね。」

 

相変わらず、熊谷さんの知識の豊富さは驚きますね。

今後も太陽光発電に関しては力を入れて紹介していきたいと思います。

 

ちなみに、太陽光発電を付けようか迷っている方は、こちらのサイトを参考にしてみてください。

≫太陽光発電の設置に関する6つの誤解とは?【現役施工業者が語る】

 

それでは。

 

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