介護保険制度が変わると家族介護が増える!?

 

変わる介護のあり方

 

8月第2週、社会保障改革の最終報告書が出されました。
介護保険についてなんですが、一定以上の所得のある人の自己負担率の引き上げや、 「要支援」、要支援というのは要介護とは違いまして、ちょっと症状が軽い、1と2という分類に分けられるそうですが、 症状が比較的軽い「要支援」を介護保険の対象から外すことなどが提案されました。

 

介護のあり方が転換期を迎えるかもしれません。

 

あなたは大丈夫?
迫る“家族介護”

 

東京都江戸川区の住宅街に到着した、1台の車。
乗り込むのはAさん72歳。

 

週に2回、デイサービスを利用しています。
体操やストレッチ、それに食事などのサービスが受けられます。ここに通って1年。

 

スタッフ
「全然笑顔の量が違いますね。」

Aさん
「来た当時は沈んだ顔だった?」

 

軽い認知症に加えて、足が不自由なAさん。
1年前に介護保険を申請し、2番めに症状が軽い、要支援2と認定されました。
デイサービスに通う以外は、ほとんど自宅で過ごしています。
今は妻と息子との3人暮らし。

 

Aさんの妻は、最近ある不安を抱えています。それは。

 

Aさんの妻
「要支援を切られてしまうと、うちで全部見なければならない。」

 

Aさんの妻が不安を抱いているのが、現在政府が進めている介護や医療などの、社会保障改革。
先週8月6日、そのあり方について政府の有識者会議が報告書を提出。
その報告書である、社会保障制度改革国民会議の報告書を見ると、

 

介護サービスの効率化及び重点化

 

が掲げられています。

 

具体的には、症状の軽い「要支援」を介護保険の対象から外し、市町村が受け皿になることが提案されています。
ただ、自治体によってはデイサービスの利用の制限や料金が上がる可能性もあり、Aさんは心配しています。

 

Aさんの妻
「私が働いて生活しているので、介護保険が無くなってしまうと、夫を見ることができない。」

 

現在はひと月1万円でデイサービスを利用しています。
これ以上金銭的負担が増えると、息子に介護を頼まざるを得ないといいます。しかし、

 

Q.介護のノウハウはお持ちですか?

 

息子さん
「まるで無いです。どうしていいのか分からない。」

 

Aさん一家のようなケースは、人ごとでは無くなってきています。
では、いかに備えれば良いのでしょうか。

 

ニチイ学館
大谷 和子 講師
「今日は体験講習会にお越しいただき、ありがとうございます。」

 

介護や福祉の資格講座を展開する、ニチイ学館。
ある講座の無料体験会が行われていました。
その中身は。

 

ニチイ学館
大谷 和子 講師

「これから始まる実践講座なんですけれども、家族介護の方にとても有効です。」

 

家族を介護するためのノウハウが学べる講座です。
大柄の人を動かすコツなどを伝授。参加者も実際に体験していきます。

 

参加者
「私の祖母が在宅介護を受けていまして、なかなかうまくいかないのが現状かなというところです。」

 

ニチイ学館は、8月18日の週から、全国400の教室で家族介護向けの実技講座を開始。
自宅学習と3日間の実技で受講料は3万円です(認定料)。
なぜこの講座を始めるのでしょうか。

 

ニチイ学館
教育事業統括本部
小瀬川 千明 部長補佐
「旧ホームヘルパーの講座の受講生の6割が家族介護のためでした。」

 

就職のために資格を取るのでは無く、家族介護のための受講が多いことが分かったのです。
講座では、床ずれ防止策や介護保険の申請の仕方など、家族介護にすぐに役に立つ内容を盛り込む予定です。

 

ニチイ学館
教育事業統括本部
小瀬川 千明 部長補佐
「家族介護は、これから若い世代問わず、皆さん必ず避けては通れない。
そのときのために、少しでも慌てずに介護に向き合っていただきたい。」

 

 

一方ホームセンターでは、2年前から介護用品専門の売り場「はぁ~とふるの森」を設けています。

 

お客
「ポータブルトイレを見に来た。カタログだけでは分からない。」

 

介護用品はカタログ販売が一般的ですが、こちらでは電動車椅子の運転や寝たきりの人を動かすリフトの操作など、ほとんどの商品を試せるのがウリです。
さらに、オムツは、

 

ホーマック
福祉関連事業
川平 路由 マネージャー
「お客さまは、中身を見たいと思うんですよね。
介護用品はオムツだけではないんですけれども、なかなか現物を見られるところが無いです。」

 

オムツのサンプルを自宅に持ち帰って、試着までできます。
これで売り上げは2倍になりました。
また別の売り場では、

 

ホーマック
福祉関連事業
川平 路由 マネージャー
「介護靴だけで600足以上ですね。その場で買って帰れるように、在庫を持っています。」

 

人によって症状がさまざまなので、売れ筋だけ並べてもニーズに応えられないのが介護。
すぐに使いたい人も多いので、在庫を豊富に揃えています。

 

また販売だけでなく、相談コーナーを設けました。
スタッフの名札には、介護福祉士など、6つの資格が。

 

ホーマック
福祉関連事業
川平 路由 マネージャー
「どこに行っていいのか分からない、という方が非常に多いんですね。「介護保険って何なの?、どうすればいいの?何ができるの?」ということで、それだけ相談しに来ました、という方も非常に多いです。」

 

相談だけのお客が半分近くにのぼります。しかし、これがお客からの信頼に繋がり、売り上げは当初の想定を5割上回る水準です。

 

ホーマック
福祉関連事業
川平 路由 マネージャー
「300キロ400キロ離れたような釧路や函館とか稚内からもお客さまはいらっしゃいますので、相談できる場所、実際に自分たちが使おうとしている商品を手にとって試せる場所は、すごい大事な場所になると思います。」

 

 

家族介護に向けて、食品メーカーも商品開発を本格化させています。
主に業務用の介護食を展開してきたキューピー。

 

キューピー
加工食品事業担当
竹村 茂樹 取締役
「今後、病院や施設から、より家庭に介護が広がってきますので、この家庭用介護食に対して力を入れていきたい。」

 

キューピーが力を入れるのは、家庭用介護食「やさしい献立」。
ご飯からおかずまで、54品を展開。8月19日からは新たに9商品投入します。

 

今回特別に新商品を作ってもらいました。
メニューは牛肉と牛蒡の煮物です。

 

キューピー
加工食品開発部
田丸 省吾 さん
「より食べやすいサイズに、介護食に適したサイズにカットいています。」

 

飲み込みやすいように、素材は小さくしています。
料理が完成すると、会社専属のシェフが味をチェック。

 

キューピー
原 進 コーポレートシェフ
「ショウガ入ってる?
これもう少し足すとメリハリがつく。」

 

塩分を抑えるなど、制限が多い介護食。
家庭用は業務用以上に、味にも気を使います。

 

味を改良し、品揃えを増やすことで、売り上げアップを目指します。

 

キューピー
加工食品事業担当
竹村 茂樹 取締役
「家庭用介護食は、20億円弱の売り上げがありますが、この2から3年で2倍近い35から40億円を目指して商品開発をしていきたいと思っております。」

 

家庭に広がる介護。新たなアイデアやサービスが消費者の助けとなるのか。
企業の取り組みが始まりました。

 

 

どうなる介護保険制度

 

小谷さん

「自宅介護出来る医療支援の方々がいらっしゃいますが、そういう方々は介護ホームに入らずに、デイサービスをお受けになる。
要支援の人たちというのは、介護状態に移るための予備軍であると、考えますと要支援の人たちを介護保険から切り離すと、その後に重い介護状態になる危険性が十分に孕んでいるわけですね。

 

デイサービスを受けられなくなったり、或いはデイサービスを受けても自己負担しなければいけなくなる。結構問題としては、重大ですよね。」

 

日本経済研究所
チーフエコノミスト
鍋山 徹
「いろんな対策を打って行かなければいけなくて、介護する場合でもこういう食事が非常に良いとか、そういうことを含めて、情報の共有をやって行くためにも、コミュニティみたいな、古民家で集まるとか古くなったマンションとかに住んでもらうとか、地域の中で一体となるようなことをやって行かないと、難しいと思いますけど、行政サイドが対策を打って行かないと。」

 

小谷さん

「国から離れて、自治体に任せられると自治体の財政具合によって全然サービスの質も変わってきますよね。」

 

日本経済研究所
チーフエコノミスト
鍋山 徹
「NPOとかボランティアとか、そういうものを全部組み込んで行かないといけませんし、65歳以上の高齢者のいる世帯で言いますと10年前と比べると、ひとり暮らしが一番増えているんですね。
ひとり暮らしの人たちも情報が入らないし、この方々も予備軍になっていくので、きめ細かな行政サービスをしていかないといけない。

これは結構崖っぷちのような気がしますね。」

 

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