インフルエンザワクチンの最新事情!!キーワードは粉末?効果は?

 

効かない…
足りない…
インフルエンザワクチン最新事情

 

インフルエンザの予防に有効なのがワクチンなんですが、さまざまな課題があるようです。

 

インフルエンザ本格的な流行
「ワクチン打ったのに…」

 

東京都内のクリニック。
インフルエンザのシーズンに入り、受診に来る人が絶えません。

 

厚生労働省の発表によると、1月13日から19日の1週間の患者数は全国で66万人。
本格的な流行に入ったと、国が注意を呼びかけています。

 

インフルエンザの予防に有効なのが、ワクチンの摂取。
痛い思いをさせてまで受けさせるのは、我が子を思う親心からなのですが。

 

親御さん
「去年(2013年)は、ワクチンを打ったのにかかった。
お友達の子どもでも、いましたね」

 

しまだクリニック
島田 知則 院長
「特に去年(2013年)大変問題になりまして、鶏卵でワクチンを増殖させる段階で、A香港型が毎年変性して、遺伝子が変わってしまうのが問題になっています」

 

日本では主に、鶏の卵を使ってインフルエンザワクチンを作っています。
有精卵にウイルス株を入れて培養し、免疫をつける成分を取り出した後、精製しワクチンにしています。

 

しかし昨シーズンは、ウイルス培養工程で遺伝子の配列が変わってしまったため、ワクチン成分が弱くなり、発症や重症化を防げないケースが出ました。

 

しまだクリニック
島田 知則 院長
「鶏卵を利用して培養しているインフルエンザワクチンでは、十分な予防ができない、という点と製造段階で変性してしまう。

 

製造方法や使用方法の見直しの時期に来ているのではないかと、思われます」

 

ワクチンが効かない…

 

かつて、ワクチンが効かないのではないかと国中を騒がせたのが、2009年の新型インフルエンザ、H1N1型。

 

国内への侵入を防ごうと、空港で厳重な検疫がされるなど、大きな混乱が起きました。

 

この時、従来の卵を使ったワクチン製造法では、全国民1億3000万人分のワクチンを用意するのに、1年半から2年かかることが判明。

 

このため国は、1000億円以上をかけて、ワクチンの新たな生産体制を構築する方針を固めました。

 

 

新たなインフルエンザワクチン
国の整備計画は今

 

国の助成金を得て、新型ワクチンの製造施設を作ったメーカーがあります。

 

化血研
試作事業部
宮津 嘉信 部長
「この設備で“細胞培養”を行っている」

 

細胞培養法という、新たな製造方法でワクチンを作る施設。

 

細胞培養法とは、従来の鶏の卵ではなく、動物や植物の細胞を使います。
細胞の中でウイルスを増やし、ワクチンとなる成分を取り出して作ります。

 

化血研
試作事業部
宮津 嘉信 部長
「出荷まで含めて6ヵ月で4000万人分を確実に供給すると、生産体制の整備の最終段階におります」

 

細胞培養法だと、ワクチンを作る時間は、卵を使う方法の3分の1程度で済みます。
さらに、培養過程でのワクチン成分の変異は起こりにくいと考えられています。

 

国は細胞培養法の設備を使い、半年間で全国民にワクチンを供給できる体制を作る計画です。
現在も参加者を募っていますが…

 

化血研
試作研究部
成瀬 毅志 部長
「公募事業の採択の要件で、国内で確実に生産できるとか、技術力や過去の実績も含めて、評価は厳しかったと思います。

 

期限がある中で急いでやらないといけない、スケジュール的にも厳しかった、というのはあります」

 

国は2013年度中に体制を整える計画でしたが、承認されたのは、化血研、武田薬品、北里第一三共の3社。
生産できるワクチンは、1億500万人分で今のままだと、2500万人分のワクチンが足りない状況です。

 

厚生労働省
結核感染症課
難波江 功二 課長補佐
「当初の予定通り進んでいないので課題と捉えています。
そこで追加公募をしているところです」

 

Q.手が挙がっても不採択になった場合は、どうしますか?

 

厚生労働省
結核感染症課
難波江 功二 課長補佐
「そこは専門家も交えて検討していきたいと思います」

 

 

新たなインフルエンザワクチン
医療現場の声は

 

東京都内にあるクリニック。
医療の現場からは、日本のワクチン政策をどうすべきか、考える時期にきているとの声も出ています。

 

こちらのクリニックでは、インフルエンザの予防接種に鼻の穴にスプレーするワクチン、フルミストを使っています。

 

この鼻ワクチン、針を刺さないので痛くないのが、最大の特徴。

 

経鼻ワクチン
フルミスト

 

またインフルエンザは、ウイルスが鼻の粘膜に付くことで感染するのですが、その鼻に直接スプレーするため、高い予防効果も期待できます。

 

しかし、この鼻ワクチン、日本ではまだ承認されていないので、副作用が起きても補償が受けられません。

 

費用も高額ですが、痛くなく高い効果が期待されるとあって、鼻ワクチンを導入する病院が増えているといいます。

 

ふたばクリニック
フルミスト予防接種料 7000円

 

ふたばクリニック
廣瀬 久人 院長
「日本も新しい方向性を考えていくべき時期に来ていると思います。

 

欧米、アジアでも一部地域、例えば香港でも使われております」

 

液体ワクチンを粉に
国の今後の政策は

 

この鼻ワクチンを、さらに進化させた企業があります。

 

新日本科学
永田 良一 社長
「実際のワクチンが入っているんですけれども、粉です」

 

新日本科学は、液体ワクチンを粉状にする技術を開発。
粉末なので、鼻から液垂れせず、注射針も使わないので、痛くありません。

 

ただ、このワクチンが優れている点は、もっと他のところにあります。

 

新日本科学
永田 良一 社長
「注射のワクチンは、液体でできていますよね。
工場から出荷して運搬して、問屋に保管して病院に行くのも、全部冷蔵庫が必要なんですね。

 

ところが、われわれの粉のワクチンは、室温で保存できるんです。」

 

液体ワクチンは、性質を維持するために冷蔵することが必要で、コストが掛かるだけでなく、運ぶ量も限られてしまうのが現状です。

 

しかし、粉のワクチンならば、常温で大量に運べ、病院でもたくさんのワクチンが保管できます。
では実用化まで、どのくらいかかるのでしょうか。

 

新日本科学
永田 良一 社長
「国の事業でできた、細胞培養ワクチンを固形化して、安全性試験と臨床試験をして、申請して許認可を得るのに、3年から5年かかる」

 

国は、今後のワクチン政策をどのように進めていく考えなのでしょうか。

 

厚生労働省
結核感染症課
難波江 功二 課長補佐
「やはりまず第一は安全であることと、有効であること。
それに対する費用がどのくらいかかるのか。
こういった情報を集めて、専門家に検討していただく」

 

毎年のように猛威を振るう、インフルエンザ。
安全で効率の良いワクチンが、求められています。

 

 

小谷さん
「日本でのワクチンの歴史は紆余曲折、いろいろあった訳なんですけれども、日本をワクチン先進国にするためには、どうすれば宜しいのでしょうか?」

 

クレディ・スイス証券
チーフ・マーケット・ストラテジスト
市川 眞一 さん
「非常に難しい課題だと思いますね。

 

ワクチンも薬ですから、薬には当然効果があると同時に、一方において副作用があるわけでして、欧米なんかの場合は、効果とそれによって起こりうる副作用の確率を見てですね、それによって社会的意義がどの程度あるのかというところから、入っていくわけですけれども、日本の場合、厚生労働省の方の話しにもありました通り、これはある意味当たり前ですけれども、安全が先にきますので、そういう意味ではですね、どうしても幾つか薬害が起こってしまった場合というのは、全体として非常に高い効果があったとしても、それは大きな問題になってしまいますし、認めた行政側の責任になってしまう。

 

社会的なところから、アプローチをしていかなければいけない問題ではないかと、思うんですね。

 

一つは行政、医療機関、製薬会社が徹底した情報開示をするということが大事だと思います。
それと同時に、もう一つはですね、それを使う側も、効果とリスクがあるということをきちんと認識をした上で、社会的に効果のあるものを広げていくかどうか、そのコンセンサスがないと、なかなかこの薬の問題というのは、前に進まないのかなと思います。」

 

小谷さん
「情報開示されたものを、実際に見て副作用を判断する材料を、どっちに判断するか難しいですね。」

 

クレディ・スイス証券
チーフ・マーケット・ストラテジスト
市川 眞一 さん
「確率的に、こういったことが起こりうるということを、きちんと周知するところから始まっていくんじゃないでしょうか」

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です