心臓弁膜症の最新治療で突然死を防ぐ!!その方法とは!?

 

心臓病の最新治療

 

動脈硬化が原因で、突然死を引き起こすこともある、心臓弁膜症の最新治療です。

 

治る!最前線
突然死を招く心臓弁膜症

 

都内にある大学病院、東邦大学医療センター大橋病院。
60代の男性患者が、医師の元を訪れました。

 

男性は5ヵ月前、定期検査で心臓に異常が見つかりました。

 

東邦大学医療センター大橋病院
心臓血管外科
尾崎 重之 教授
「だんだん弁が硬くなって、完全に開かないし完全に閉じない」

 

男性は、心臓弁膜症と診断されました。
心臓弁膜症とは、心臓にある弁が上手く機能しなくなる病気。

 

心臓には、送り出した血液が逆流しないようにするための弁があり、心臓の収縮に合わせて開いたり閉じたりしています。

 

心臓弁膜症は、動脈硬化などにより心臓の弁にカルシウムが溜まって石灰化し、硬くなって正常に機能しなくなる病気です。

 

進行すると、血液を十分に送り出せなくなり、突然死を招くこともあります。

 

男性患者
「「ぜーぜー」というのはあったが、疲れか年のせいとしか思っていなかった」

 

現在、国内の患者数は200万人を超えると推定されています。
心臓弁膜症の原因となる動脈硬化は、高脂肪・高カロリーの食事、さらに喫煙などが引き起こします。
まさに生活習慣病の一つといえます。

 

東邦大学医療センター大橋病院
心臓血管外科
尾崎 重之 教授
「症状が出るまで時間がかかるんです。
症状が出たときには、かなり心臓の機能が低下している。
ある日突然、朝起きたら死んでいることにもなりかねない。
それくらい怖い病気です。」

 

突然死を招くこともある、恐ろしい心臓弁膜症。
その治療の最前線をご紹介します。

 

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突然死を防ぐ
心臓弁膜症の最新治療

 

先ほどの男性患者は、新しい治療を受けることになりました。
これから手術が始まります。

 

今回の治療は、自己心膜による大動脈弁形成術と呼ばれるものです。

 

手術ではまず、心臓を包む心膜と呼ばれる膜の一部を切り取ります。
この膜を使って、心臓の弁を作ります。

 

心臓の弁は、3枚の組織でできています。
悪くなった弁を手術ですべて取り除き、新しく作った弁と取り換えるのです。

 

すると、弁は正常な機能を取り戻し、再び全身に血液を送り出せるようになります。

 

手術が始まっておよそ1時間後、患者の心膜が取り出されました。
そして心臓の弁の形に合わせて、取り出した心膜に印を付けます。

 

この印に合わせ、丁寧に切り取っていきます。
新しく作った弁を、患者の心臓に直接縫い付けます。

 

手術開始からおよそ4時間後、3枚の弁がすべて縫い付けられました。
心膜は柔軟性があり、耐久性も高いといいます。

 

この病院では、これまでおよそ700人に治療を行い、再手術が必要になったのは、わずか0.7%です。

 

これまで豚の組織などで作った人工弁が使われてきましたが、血栓ができて手術後に脳梗塞を起こすリスクがありました。

 

東邦大学医療センター大橋病院
心臓血管外科
尾崎 重之 教授
「弁のところだけを、自分の心膜で置き換えて治す治療。
異物ではないので、弁の表面に血栓が付いて脳梗塞を起こすことはほとんどないです」

 

心臓弁膜症の治療には、体の負担が少ない、新しい治療法も登場しています。

 

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80代の女性患者は、2013年の夏頃、胸に違和感を感じて病院を受診したところ、心臓弁膜症と診断されました。

 

80代の女性患者
「息が切れるような感じがあったので、心臓が悪いのかなと思った。
胸が動悸するように、チクチクと痛くなるんですよ」

 

女性患者の病状は、深刻でした。
画像に写ったのは、白く見えカルシウムが溜まり、石灰化した心臓の弁。
固くなり、ほとんど血液を送り出せない状態でした。

 

患者は80代と高齢のため、胸を開く大きな手術ができません。
そこで、新しい治療を受けることになりました。

 

今回の治療に使う器具が準備されます。
周りに金具が付いた、人工弁です。
中心の乳白色の部分が、弁の役割をします。

 

そして、長い管のような器具も使います。

 

先ほどの人工弁を、長い管の先端に取り付けます。
小さく折りたたみ、治療に使うのです。

 

弁を取り付けた管を、足の付け根の動脈から挿入していきます。
この治療は、経カテーテル大動脈弁留置術と呼ばれます。

 

悪くなった心臓の弁の位置まで、人工弁を運び、風船のようなもので膨らませます。
すると、悪くなった弁を押しつぶすように、人工弁が開き、周りの金属でしっかりと固定されます。

 

医師が慎重に管を進め、悪くなった弁がある位置まで運びます。
手元の器具を操作して、先端の風船を膨らませます。

 

すると、人工弁がゆっくりと開いていきます。
患者の心臓に、人工弁がしっかりと固定されました。

 

体の負担が少ない治療ですが、人工弁を使うため、治療後は血栓を予防する薬を飲み続けなければなりません。

 

慶応義塾大学病院
循環器内科
林田 健太郎 特任講師
「今までは、外科的な治療のみが、根治できる唯一の方法だったということで、外科治療の適用にならないと、そのまま亡くなっていく、ということです。
この治療が可能な患者に対しては、低侵襲(体の負担が少ない)で治せる、非常に画期的な治療かなと思っております」

 

突然死につながる、恐ろしい心臓弁膜症。
命を落とさないためには、動脈硬化の原因となる生活習慣を改善することが、何より重要です。

 

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