【胃がん治療最前線】最も患者数が多い「胃がん」の患者の負担減らす方法とは?

 


患者の負担減らす胃がん治療

 

がんの中で最も患者数が多い、胃がん。
患者の負担を減らす、治療の最前線です。

 

治る!最前線
患者の体に優しい胃がん治療

 

70代の女性。
翌日受ける手術の説明を受けていました。

 

3ヵ月前に受けた健康診断で、胃がんが見つかったためです。

 

直径2.5センチのがん。
幸い、早期で見つかりました。

 

Q.症状だったりとかは?

 

70代女性
「特には気が付かなかったです。びっくりして」

 

早期の胃がんでは、ほとんど症状が出ないとのこと。

 

がんの中で最も患者数が多いという、胃がん。
その数は、13万人におよびます。

 

主な原因は、塩分の多い食事や喫煙などと言われています。
がんが進行した場合、手術をして一命を取り留めても、大きな問題が残ります。

 

東京慈恵会医科大学附属病院
消化管外科
三森 教雄 診療部長
「胃を全摘出すると10キロ前後、体重が減少する人が多い。
過大な体への負担を防ぐことが、患者さんへの一番のメリット」

 

今、より患者の体に優しい治療法が生まれています。
進化し続ける、胃がん治療の最前線を紹介します。

 

 

治る!最前線
“光”で見抜く胃がん転移

 

70代の女性は、新しい治療を受けることになりました。
まず、患部を確認するため患者の口から内視鏡を入れます。

 

胃の周りにはリンパ管があります。
がんは、リンパ管を通って転移することが多いのです。

 

そしてリンパ管にはリンパ節という、たくさんの節があります。
がんの近くにあるリンパ節にがん細胞があるかないか調べれば、がんが転移しているかどうか判断できます。

 

しかし、リンパ節は肉眼で見つけることが難しい。
そこで転移を防ぐため、胃を大きく切除するケースが多くありました。

 

今回行われる手術は、そうした患者の負担を減らそうという治療です。
医師が取り出したのは、ICG(色素系検査薬)と呼ばれる、緑色の特殊な薬剤。

 

内視鏡からチューブで胃の中に入れ、がんの周りに注射します。
すると薬剤がリンパ管に流れて行きます。

 

今回の治療では、更に特殊な器具を使います。
先端から赤外線を発するカメラです。

 

お腹に開けた穴から赤外線カメラを入れます。
カメラの他にも電気メスなどの器具を入れ、手術を行います。

 

胃の外側から、赤外線を当てます。
すると…

 

医師
「ここが“がん”だね
ここがリンパ管」

 

細く光って見えるのがリンパ管。
注射したICGが、赤外線に反応して光るのです。

 

医師が周辺のリンパ節を見逃さないように、探して行きます。
この方法で、確実にリンパ節を見つけることが出来るようになりました。

 

がんの付近にあるリンパ節が、切除されました。
今回は、7個切り取りました。

 

切り取ったらすぐに、病理検査室と呼ばれる部屋に運ばれます。
リンパ節を凍結させ、薄くスライスします。

 

そして病理医と呼ばれる専門医がリンパ節にがん細胞がないか、顕微鏡で診断します。
およそ30分後、結果が出ました。

 

すべてのリンパ節にがん細胞は見つかりませんでした。
リンパ節を調べたことで切除する範囲は、がんの部分だけで済みました。

 

もしリンパ節を調べていなければ、この患者さんは胃を大きく切除する可能性がありました。
この病院では、この検査をこれまでに267例行い、リンパ節への転移を99%正しく判断できました。

 

東京慈恵会医科大学附属病院
消化管外科
三森 教雄 診療部長
「がんを取り残すと、根本的な治療に背くことになるので、それを防ぎながら治療手技を確立するのが大事だと思います」

 

 

治る!最前線
胃がんのロボット手術

 

進行した胃がんでも、患者の負担が少ない治療が始まっています。
今回の手術で使われるのは、ロボットです。

 

2012年に日本で認可された、第3世代のダヴィンチ「Si」。
日本で使われる手術ロボットの最新機種です。

 

医師が患者と離れた場所から機器をコントロールする、ロボット治療。
医師の手になるアームを装着していきます。

 

医師が座るのは、患者から離れた操作台。
これで準備完了です。

 

今回治療を受ける患者さんは、進行がん。
他の臓器への転移を確認しながら手術をします。

 

医師はモニターを見ながら、手元でアームの細かい動きを操作します。
モニターに見えているのは、10倍に拡大された3D映像です。

 

今回の手術では、2014年から使えるようになった、ベッセルシーラーと言う新しい器具を使います。
止血しながら、組織を切除出来ます。

 

ベッセルシーラーをアームに取り付けます。
進行がんでは、がんが転移した場所を探すために、胃の周りを広く切除します。

 

ベッセルシーラーを使うと、血管が多い場所を短時間で切除できます。

 

大腸に、がんの転移が見つかりました。
手術が始まって6時間後、胃の3分の2と大腸の一部を取り除き、がんの切除が終わりました。

 

これまで進行がんは、開腹手術が一般的でしたが、ロボット手術は傷口も小さく、患者の負担は大きく減りました。

 

「ダヴィンチ」での胃がん治療は、9月に一部の病院で先進医療に認定され、200万円かかっていた費用が、80万円ほどに減りました。

 

藤田保健衛生大学病院
上部消化管外科
宇山 一朗 教授
「ロボットは人間の手でやることの限界を超えることができるわけですから、精密さということに関しては、人間の手はロボットに及びません。
手術の負担を極力下げることに、非常に意味があると考えております」

 

がんの中で、最も患者数が多い、胃がん。
患者への負担を減らす治療が、日々進化を続けています。

 

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です